実際に運用したアマチュア無線の自作アンテナを紹介

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ここに紹介するアンテナは、私が自作してアマチュアバンドで実際に運用したものですが、製作中のデータ、運用中および運用後のすべての詳細データについては記していないものがあります。これらのアンテナで、通常の交信は十分実用になっていますが、製作してみたい方は、手書きノートを添付してありますので参考にしてください。

なお、カットアンドトライは製作時間の約3倍程度の時間を費やしていますので、製作してみたい方は根気が必要です。

430MHz 21ele2列 F9FTタイプ

アパマンHAMで開局したため、HFはアンテナが大きいこともあり断念し、アパマンHAMでも運用できる小型のアンテナということで、430MHz帯の運用から開始した。

そこで最初に自作したのが、「430MHz 21ele2列 F9FTタイプ」である。参考資料(英文)やOMのサポートもあり、初めてにしては割りと簡単に完成した。430MHzでの交信は関東一円程度だろうと甘く見ていたが、なんと最初のCQで呼んでいただいたのが、JA4UBW(藤原OM)である。「神奈川県横浜市(JM1XTK)⇔岡山県倉敷市(JA4UBW)」私の中では忘れない歴史の一ページとなった。

自作の基になった「F9FT220921」は、中心周波数が432MHzに設計されたアンテナであり、下にSWRおよびフィールドパターン図を示す。

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❶ 給電部および周辺パーツ
マッチングセクションは、フォルデッドダイポール、材料はアルミ棒を使用する。
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❷ 給電部の取り付
赤いパーツは、ラジエータをブームから浮かすために、プラスチックを加工したものである。
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❸ 完成
大家に許可をいただき、初めての自作アンテナ 21ele×2列の完成、給電部は地上高約10mHになった。
21MHz 6ele フルサイズモノバンド八木

このアンテナは、設計から始めたため調整に多くの時間を費やし、根気以外の何物でもなかったことを記憶している。しかし根気が功を奏し、DXのOFFシーズンでも海外と交信ができ、QSLのコンファームが250カントリーを超えた。

このアンテナの後に短縮型4エレメントの市販アンテナを上げたが、DXはほとんど聞こえてこなくなり、ここで初めて、フルサイズの威力を強烈に思い知らされた。

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❶ 材料収集
4m定尺のアルミパイプで、材質は63STを使用する。
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❷ 組み立て工事中
先にブームを取り付け、ブームをスライドしながらエレメントを取り付けていく。
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❸ 完成
アンテナの重量は約30Kgになるため支線を張る。LUSOのクランクアップタワーに、地上高は約22mHになる。
14MHz 2ele フルサイズHB9CVタイプ

アンテナの名称は、開発者の名前やコールサインから付けられることが多く、この「HB9CV」もアマチュア無線家のコールサインがそのまま名称となっている。

このアンテナは、ダイポールアンテナと同じ形状の1/2波長のエレメント2本を、1/9~1/8波長離して平行に配置し、それぞれ逆位相になるように給電するものである。フロントに指向性を持たせる場合は、エレメント長の計算よりも、フロントのラジエーターを若干短く、バックのラジエーターを若干長くするが、この辺りは微妙な技である。結局、手書きノートの長さに落ち着いた。フィールドパターンは取れなかったが、3エレメントの八木アンテナよりも高い利得が得られることもあってDXを稼いだ。

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❶ 材料収集
4m定尺のアルミパイプで、材質は63STを使用する。
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❷ 組み立て工事中
地上でアンテナを組み立てて、滑車で引き揚げマストに固定する。
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❸ 完成
アンテナの重量は約19Kg、地上高は約24mHになる。
3.5MHz ローディングダイポール (A.Bの2種類)

夜になると3.5MHzが賑わっているため、このバンドに出てみたくなり、センターローディングを制作した。短縮アンテナはバンド幅がどうしても狭くなるため、突然変異を期待して2種類のコイルAとBを制作してみたが、バンド幅に突然変異は起こらず、ほとんど変化はなかった。「当たり前だよ!」「は~い!」

手書きノートに記してあるが、中心周波数は3.550MHzに調整した。SWRが1.5以下の範囲は「3.470MHz~3.640MHz」に落ち着いた。給電部の地上高を25mHにしたために、神奈川から、西は関西方面、東は東北方面の交信が多かった。その後、3.8MHzにも出てみたくなり、市販の「クリエートCD-78」を上げた。

<給電部 A>

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❶ 材料収集
エレメントのアルミパイプとエレメントステーをDIYで入手し加工する。
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❷ 給電部Aの加工
水道管用の塩ビパイプとアルミパイプを加工する。
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❸ 給電部A
給電コイルにヒシチューブをかぶせ、ピックアップコイルを巻き付ける。
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❹ ピックアップコイル
アルミ線にヒシチューブをかぶせて丸く輪にして、輪の大きさが変化しないよう工夫して固定する。
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❺ 給電部Aの完成
コイルにはヒシチューブをかぶせ、ピックアップコイルを巻き、さらにその上にヒシチューブをかぶせ防水処理をする。

<給電部 B>

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❶ 給電部Bの加工
材料はA同様である。コイルの径が小さい方がAで、大きい方はBである。測定結果はAB共おおむね同等であった。
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❷ 給電部Bの完成
コイルはA同様ヒシチューブをかぶせてピックアップコイルを巻き、その上に塩ビパイプをかぶせ防水処理する。
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❸ 給電部のバリコン
バリコンは防水処理を施し、調整用シャフトは下向に取り付けると水が浸入してもシャフトの穴から抜ける。
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❹ 完成
マストに取り付けて、SWR計を挿入しバリコンを回しながら調整する。地上高は24mHに取り付ける。
T2FDタイプ (短縮型2種類)

「1本のアンテナで多バンドに出てみたい。」と思うのは私だけでしょうか?。HAMバンドを変える度にRIGを取り換え、アンテナを取り換える。現在のRIGは多バンドに出られるように成ったため問題はなくなったが、アンテナだけは難しい。

そこで「T2FD」を参考にして制作したのがこのアンテナである。手書きノートに記してあるが、基本形の受信は良く送信が非常に悪いため、開口面積を広げるためエレメントを基本形の約2倍程度に長くし、エレメントの先端(終端抵抗の直前)に任意に巻いたコイルを挿入してみた。SWR特性は全体的に上がったものの、HF帯に関しては送信が若干良くなった。このアンテナは送受信の差が大きいが、受信周波数は広範囲に及ぶため、受信には持ってこいのアンテナである。

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❶ 給電部
エレメントの材料はアルミパイプで、給電部は塩ビパイプを使用した。1:9のバランをボックスに納め防水加工する。
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❷ 終端抵抗
エレメントを折り曲げた先端に、ボックスに納めた終端抵抗を取り付ける、短いエレメントは500Ω、長いエレメントは39KΩとした。
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❸ ボックス
上の写真は終端抵抗ボックスで、下は1:9のバランである。
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