ディスク使用率が100%になり 重くなったPCの解決策
パソコンの動きが「遅い?」「重い?」「エラーが出る?」「ハードディスクのアクセスランプが常に点滅している?」等々パソコンの調子が悪い? どうしてだろう?...
Microsoftは Windowsの無償アップグレードを行っているため、低スペックのパソコンを無理やりアップグレードされる方もいるだろう。このようなパソコンは特に起こり得ることである。
低スペックのパソコンを使用するには、そのパソコンの特性や使用している OSの特質などを良く理解して使用する必要がある。理解しないまま使用し続けると、発生するさまざまな諸問題に対処不能になってしまう。
このページでは、ディスク使用率が100%になり、パソコンの動作が重くなる現象の解決策を、Windows 11 22H2の画像を用いながら説明していくことにする。
------[ 目 次 ]------
1、原因と対策
5、Connected User Experiences and Telemetryを無効にする
6、Microsoft Compatibility Telemetryのプロセス停止する
9、効果の確認
10、その他、考えられる原因
⑴ 100% 現象の原因を探る。
ディスク使用率が100%になる原因は、各々パソコンの環境等によって異なるため、何が原因でどのような対策で解決するという正確な答えはない。そのため、諸々試してみる他に確実な対策はないが、ディスク使用率が100%という現象が起こりえる原因はある程度特定される。
考えられる原因は、パソコンのスペックや Windows Systemなどによって異なるが、Windowsは多くのバックグラウンドプログラムが稼動しており、これらのプログラムが低スペックのパソコンの性能や容量が逼迫されている可能性が高いと判断すべきだろう。
⑵ 100%現象の緩和対策を考える。
使用していない不要なプログラムの削除、ドキュメントやデスクトップにある不要なデータの削除、およびディスククリーンアップなどを行う。また、Windows Updateの停止やセキュリティソフトの無効など、一般的な方法を行っても一向に解決しない場合は、以下のプログラムを無効または停止することで、パソコンの性能や容量の逼迫を緩和できる。
最初に、タスクマネージャーを起動してディスクの「パフォーマンス」を確認してみる。
▶ 手順 1
タスクマネージャーを起動する。
❶ [スタートボタン]を右クリックする。
❷ [タスクマネージャー]をクリックする。
▶ 手順 2
ディスクの「パフォーマンス」を確認する。
❶ [パフォーマンス]のアイコンをクリックする。
❷ Windows がインストールされている C:ドライブ [ディスク 0 (C:)] をクリックする。
[ディスク 0 (C:)]を確認すると「100%」になっており、右側の「アクティブな時間」のグラフが頭打ちになっていることが見て取れる。これでは動くわけがない。
SysMainの機能を簡単に説明すると、Windows Vista以降搭載されている機能で、起動管理に従いプログラムを事前にメモリに読み込むことで、起動を高速化する機能である。
そこで、少量のメモリが逼迫されるとメモリ不足に陥り、不足分のプログラムをディスクに読み込むためディスクは逼迫し、パソコンの作動が重くなる場合がある。
▶ 手順 1
Windowsサービスを起動するため[Win+R]キーを押す。または、以下の方法で「ファイル名を指定して実行」を開く。
❶ [スタート]ボタンを右クリックする。
❷ 名前のフォーム内に[services.msc]を入力する。
❸ [OK]ボタンをクリックする。または[Enter]キーを押す。
▶ 手順 2
Windowsサービスが起動したら、右ペイン内でSysMainを探す。
❶ [SysMain]の文字上で右クリックする。
❷ 表示されたコンテキストメニュー内の[プロパティ]をクリックする。
▶ 手順 3
SysMainのプロパティが開いたら、全般タグ内で以下の操作を行う。
❶ 「スタートアップの種類」のプルダウンメニューで、[無効]を選択する。
❷ 「サービスの状態」は、[停止]ボタンをクリックする。
❸ [OK]ボタンをクリックする。
▶ 手順 4
以下の画像のように、SysMainの状態が消えて、スタートアップの種類が無効になったことを確認する。
Windows Searchは、Vista以降に搭載されたWindowsデスクトップ検索機能である。パソコンに保存されているファイルにインデックスを作成し、検索を高速化するためのプログラムで、スタートメニューのWindows検索ボックスおよびエクスプローラのファイル検索、またWeb検索やメール検索などに利用する。
インデックスを作成するためCPUに負担がかかり、多くのメモリを消費する。そのため、パソコンの使用中にインデックス作成作業を中断できずにパソコンが遅くなる要因となることがある。
Windows Searchも前記同様にプロパティを開き、「スタートアップの種類」を[無効]および「サービス」を[停止]状態にする。
Connected User Experiences and Telemetryサービスは、svchost.exeで実行され、診断データを追跡してMicrosoftに送信する。このサービスを無効にすることで、パソコンの動きを遅くする問題が修正されることがある。
このサービスも前記同様にプロパティを開き、「スタートアップの種類」を[無効]および「サービス」を[停止]状態にする。
このプロセスは、Windowsカスタマーエクスペリエンス向上プログラムの一部で、診断情報をMicrosoftに送信するものである。タスクスケジューラで、以下のタスクを停止することでCPU使用率を下げ、パソコンの動きが早くなる。
▶ 手順 1
タスクスケジューラを起動するため[Win+R]キーを押す。または、スタートボタンを右クリックして「ファイル名を指定して実行」を開く。
❶ ファイル名を指定して実行のフォーム内に[taskschd.msc] を入力する。
❷ [OK]ボタンをクリックする。または[Enter]キーを押す。
▶ 手順 2
タスクスケジューラが起動したら、左ペインの[タスクスケジューラ ライブラリ]のツリーをたどり、サブキー[Application Experience]を探してクリックする。
❶ タスクスケジューラライブラリ❷Microsoft❸Windows❹Application Experience
➎ 中央ペイン内の[Microsoft Compatibility Appraiser]をクリックして選択する。
❻ 右ペイン内の「選択した項目」内の[無効化]をクリックし、タスクスケジューラを終了する。
Windowsには、動作を低下させないために自動メンテナンス機能が備わっている。デフォルト設定では、毎日午前 2時のアイドル時間に実行され、システム診断や Windows Defenderによるセキュリティスキャンおよび Windows Updateなどが自動的に実行される。
自動メンテナンスは、パソコンに電源が入っていないときは実行されないため、次回電源を入れて起動時のアイドル時間に実行される。「さあ!パソコンを使いましょう。」と電源を入れ、Windowsが起動してアイドル状態になると自動メンテナンスが実行されるため、CPUに高い負荷がかかり、パソコンの動きが重くなり使えない状態になってしまう場合がある。
自動メンテナンスを停止するには、以下の手順で操作する。
▶ 手順 1
「ファイル名を指定して実行」のフォーム内に[control]と入力し、 コントロールパネルを開き、システムとセキュリティの[コンピューターの状態を確認]をクリックする。
▶ 手順 2
セキュリティとメンテナンスのダイアログメニューが表示されたら[自動メンテナンス]を停止する。
❶ [メンテナンス]のタグをクリックし、全体を表示する。
❷ メンテナンスが実行中の場合は、以下の画像と同表示になるため[メンテナンスの停止]をクリックする。また、停止するまで若干の時間を要する場合がある。
▶ 手順 3
自動メンテナンスタスクの実行時刻を変更する。
自動メンテナンスが停止中の場合は、以下のダイアログが表示されるため、[メンテナンス設定の変更] をクリックすると、自動メンテナンスタスクの実行時刻が変更できる。
しかし、変更した時刻にパソコンが起動していなければ、次回起動したアイドル時に実行されてしまうため、自動メンテナンス設定時刻までパソコンを起動したままにする。またはその時刻に起動する。いずれにしても問題を残すため、完全に停止するには現在のところ、レジストリ編集で必要に応じて有効・無効の切り替えを行う方法しか考えられないが、初心者が編集するには危険がともなう。
▶ 手順 4
レジストリキーで、自動メンテナンスを有効または無効にする方法は、新規キーを [DWORD(32ビット)値] で、名前を [MaintenanceDisabled] と新規作成し、値のデータを [0]で有効 [1]で無効にできるためその内容を記す。
ハイブ | HKEY_LOCAL_MACHINE |
キー | \SOFTWARE \Microsoft \Windows NT \CurrentVersion \Schedule \Maintenance |
新規キーの値 | DWORD(32ビット)値 |
値の名前 | MaintenanceDisabled |
値のデータ | 有効化 [0] / 無効化 [1] |
OneDriveとは、写真や動画などのデータファイルを保存して共有できる無料のオンライン ストレージサービスのことである。マイクロソフトアカウントを取得していれば 5GBまで無料、それ以上の容量は有料で利用できる。オンラインストレージにデータを保存しておけば、ほかのパソコンやスマートフォンなどから、そのデータにアクセスしながら利用できて大変便利なクラウドサービスである。
しかし、このようなオンラインストレージは、手元のパソコンとオンラインのデータの自動同期を行うため、データ通信が発生する。つまり、テザリングなどを行うと大量のデータの同期が始まり、通信費用が半端なくかかってしまう。モバイルだとバッテリーを多く消費してしまって駆動時間が短くなる。また、これらの同期処理の影響で、スペックの低いパソコンを使用していると、動きが極端に重くなる。
▶ 手順 1
OneDrive は、Windowsの起動時に自動的に開始される設定になっているため、この設定を自動開始しないように設定変更する。
❶ タスクバーにOneDriveのアイコンがない場合は、セレクトメニュー[ᐱ ]をクリックする。そこにもアイコンが見当たらない場合は、スタートメニューのアプリ一覧から OneDriveをクリックするとタスクバーに現れる。
❷ [OneDrive]のアイコンをクリックする。
❸ 表示されたメニュー内の[設定]アイコンをクリックする。
❹ さらに表示されたメニュー内の[設定]をクリックする。
▶ 手順 2
OneDriveの設定ダイアログメニューが表示されるため、自動開始しないようにする。
❶ 左ペイン内の [同期とバックアップ] をクリックする。
❷ 右ペイン内に移り、基本設定 [Windows にサインインしたときに OneDrive を開始する] のスライドボタンを左側にスライドして「オフ」にする。
最後にOneDriveの設定ダイアログメニュー右上の[(×)閉じるボタン]をクリックして終了する。
最後に、タスクマネージャーを起動して、[パフォーマンス] のタグからディスクの状況を確認すると、100%を表示していた C:ドライブが 10%に下がり、右側のアクティブな時間のグラフ表示は小さくなって「正常に作動している」ことが見て取れる。
※ ここで行う効果の確認は、各項目ごとの緩和対策を施したその都度確認する必要があり、緩和の効果が確認できれば、そのまま様子を見る必要がある。また、緩和の効果がみられない場合は必要に応じて元に戻す必要がある。
ここまでの作業でおおむね解決するが、これらはパソコンのスペックや Windows Systemなどのさまざまな問題によって微妙に異なる。また、二つ以上の問題が競合して悪さを引き起こしている場合もある。もしも、解決しない場合は以下のような原因も考えられる。
⑴ 仮想メモリ(ページファイル)の見直しをする。
仮想メモリとは、RAMディスクのように使用される領域で、物理メモリ上に仮想メモリサイズを指定できる。物理メモリ上の仮想メモリサイズが不足すると、ハードディスク上の領域を仮想メモリとして使用するようになる。ハードディスクは物理メモリよりも相当遅いため、パソコンの動きは重くなってしまう。そこで、物理メモリに余裕(8GB以上)がある場合は、物理メモリ上に「仮想メモリ(ページファイル)」サイズを増やして改善する場合がある。
⑵ キーロガーのサービス停止または削除する。
Microsoftは、キーボードから入力したすべてのデータや音声入出力の会話を監視記録するためのキーロガーソフトを Windowsに内蔵し、Microsoftが必要とする情報を収集しているが、このキーロガーのサービス停止または削除することで改善する場合もある。
※ キーロガー停止または削除する方法は ➡ Windowsのキーロガーを削除する
⑶ 最後に
ここまで、ディスク使用率が100%の原因を探りながら、その緩和対策を記してきたが、いずれを試しても改善しない場合は設定を元に戻し、異なる方面から解決策を試みる必要がある。また、近年SSDが安価で入手できるため、SSDに換装するとパソコンの動きは格段に早くなる。私はすべてのパソコンをSSDに換装している。それでは楽しいパソコンライルをお過ごしください。