デスクトップパソコンを自作するためのパーツ選択や自作手順
< あなたがパソコンを始めたきっかけは? >
1976年、NECからTK-80が発表され、HAM仲間が購入したらしいと聞き、早速自宅に行ってみると、1枚のむき出しの基板にテンキーと8個のLEDディスプレーがくっ付いていた。仲間はそのテンキーをガチャコン・ガチャコン叩いている。その時、私には何がなんだか良くわからなかったが、その様子を見たのが運の尽き?、PCにはまってしまったらしい!。現在ではディスプレー付きの組み込みのPCが安価で売られているが、当時は好みのPCを自作すると数カ月分の給料を注ぎ込まないと購入できなかった。
パソコンを自作するには、パーツの選択が大切になってきます。各パーツを結合していくわけですから、パーツの形状やパーツ同士のスペックが合わないと組み込みできないし、組み込みできても作動しません。初心者の方は、PCパーツ販売店のスタッフやパソコンを数台自作した経験のある方に聞くと、親切に教えてくれますので心配ありません。
パソコンの自作は、半田付けをするわけではなく、単にパーツ同士を組み合わせていくわけですから、パーツのスペックが把握できて、組み合わせの方法が分かれば、これほど簡単な自作は他に例を見ないと思います。
⑴ パーツ選択の順番は、おおむね次のようになる。
順番 | パーツ | 備考 |
---|---|---|
01 | CPU | 予算に余裕があれば最速(高額)を狙いたい。 |
02 | マザーボード | CPUの形状とマザーボードのソケットが同一のものを選択する。メモリソケットの数やIOポートの種類など調査して選択する。 |
03 | メモリ | CPUとマザーボードに合った種類のメモリを選択する。容量の目安はWin7~10の場合、32bit(最低1GB,最高4GB)、64bit(最低2GB,最高Win7で16GB、Win10Pro&EPで512GB)、Win11 64bit(最低4GB) |
04 | SSDドライブ HDDドライブ |
パフォーマンスの良いSSDを選択、容量は最低120GBは欲しい。DATA関連やバックアップはHDDに保存、容量は最低1TB必要であろう。 |
05 | 光学ドライブ | 記録メディアの多種類に対応した、スーパーマルチドライブDVDを選択すれば間違いない。 |
06 | PCケース | マザーボードの大きさや、内蔵HDDの台数を考慮してケースの大きさを決定する。冷却機能やデザイン性も侮れない。素材は、磁気漏洩防止のため金属にする。 |
07 | 電源ユニット | 標準構成であれば、総出力は450Wで十分であるが、余裕を持たせた方が長持ちする。 |
08 | モニター | 解像度は最低1920×1080にする。手持ちが有れば利用する。ビデオボードと互換性を持たせる。 |
09 | キーボード マウス |
デザインや使い勝手は好みに合わせる。ワイヤレスは便利である。手持ちが有れば利用する。 |
10 | ビデオボード | マザーボードにオンボードされていれば必要ないが、モニターと互換性を持たせる。 |
11 | サウンドボード | マザーボードにオンボードされていれば必要ないが、良い音楽を聴きたい場合は検討する。 |
12 | OS | ソフトの多さは、Windowsが豊富である。エディションは予算に合わせて選択すれば良いが、これからのパソコンは、64bitにすること。 |
⑵ パソコンの自作手順
デスクトップパソコン自作の大まかな手順を記しますが、添付した写真のパーツの共通性はありませんので、参考程度にしてください。また、各パーツの組み込みの詳細については、同スペックのパーツを使用して自作する場合は問題ないのですが、各々パーツのスペックにより、組み込み方法は微妙に違ってきますので、各パーツに添付されているマニュアルを参照してください。
▶ 手順 1
● パーツの確認
組み立てに必要なパーツを確認する
◎ケース ・電源ユニット ・マザーボード
◎CPU ・CPUグリス ・CPUファン
◎メモリ ・SSD、HDD、DVDドライブ
◎Serial ATA電源および信号ケーブル
◎パーツ取り付けビスおよびM/B用スペンサー
◎ケーブルを束ねるケーブルタイ等
▶ 手順 2
● ケースにパーツ取り付け
ケース本体に付けられるパーツは、マザーボードを付ける前に付けておくと危険防止になる
◎電源ユニット
◎SSDドライブ ・HDDドライブ
◎DVDドライブ
▶ 手順 3
● マザーボードにパーツ取り付け
◎CPUを取り付ける
◎CPUにグリスを塗ってファンを取り付け、ファンの電源ケーブルをM/Bに差し込む
◎メモリを取り付ける
※ 取り付ける際に、CPUおよびメモリの向きやソケット端子に注意し、ピンに触れないように細心の注意を払う。静電気が多発する時期は、取り付ける前に、ステンレスの流しに手を触れ、放電させてから行う
▶ 手順 4
● ケースにマザーボード取り付け
◎マザーボードの取り付け穴の位置を確認して、スペンサーを取り付ける
◎マザーボードに付属されているI/Oパネルをケースに取り付ける
◎I/OパネルにマザーボードのI/Oポート部のコネクタを併せてから、マザーボードを取り付ける
※ ビスを締めるときに力を入れて締めすぎない。ビスからドライバーが外れて、マザーボードにドライバーの先端が当たり、傷程度で済めば良いけれど・・?
▶ 手順 5
● ケース内の配線
◎マザーボードとフロントパネルコネクタ、USBコネクタ、BIOSスピーカー端子、冷却用ファンを配線する
◎マザーボードとSSD、HDDドライブおよびDVDドライブを、SerialATA信号ケーブルで結線する
◎電源ユニットから出ているSerialATA電源ケーブルを、SSD、HDDドライブおよびDVDドライブに差し込む
◎電源ユニットから出ているCPU電源ケーブルをマザーボードに差し込む
◎電源ユニットから出ているマザーボード用の電源ケーブルをマザーボードにしっかりと差し込む
▶ 手順 6
● BIOSの立ち上げ
◎ケースにAC電源、ディスプレー、キーボード、マウスを取り付ける
◎電源投入の準備ができたら、電源スイッチを入れてBIOSの立ち上がりを確認する
◎BIOSがうまく立ち上ったらOSのインストールのため、BIOSのFastbootをUSBメモリまたはDVDドライブに設定し、OSインストール用USBメモリまたは、ディスクをそれぞれセットして、電源を落とすか再起動する
▶ 手順 7
● OSのインストール
◎OSインストール用USBメモリまたはディスクを挿入したまま電源を入れる
◎画面に従いながらインストールを進め、インストールを完了させる
※ Windowsのアップデートは、インストール中に設定すると自動で行うが、設定しなかった場合は、最後にアップデートを実施する
▶ 手順 8
● インターフェースの取り付け
◎ビデオボードやサウンドボード等のインターフェースを取り付ける場合は、マザーボードの拡張スロットに取り付ける
◎インターフェース等のドライバーが必要な場合はインストールする
◎うまくいったら完成!、後はアプリのインストールでも始めよう!
▶ その他
● 机周辺の整理
デスクトップの場合、パソコン本体を机の上に置くと作業スペースがなくなるため、机の下にスペースが有れば格納する
ちなみに私の場合は、キャスター付きの板の上にパソコン本体を乗せ、簡単に引き出せるようにしている
● パソコンが増えた場合の対策
自作が楽しくなると、取り換えたパーツや残り物のパーツで、パソコンを組み立ててしまうため増えてしまう
◎マルチモニターにするとパソコンの作業量が増やせる
◎2台以上パソコンがある場合はLANを構築し、キーボードとマウスは一組にして、LAN内の移動はキ-ボードとマウスの切替ソフトや切替器を使用する
⑶ ページ公開時の JM1XTKのPC環境
現在のPC環境は、自作のデスクトップにマルチモニターを構築しています。
パーツ | メインPCのスペック&内容 |
---|---|
CPU | E5-1620v2 コア数6 スレッド数12 |
マザーボード | HP Z420 |
メモリ | DDR3 1866MHz 32GB(8GB×4) |
SSDドライブ | 500GB(OS用) |
仮想ドライブ | 4GB、TEMP、キャッシュ、デイトレソフト用のフォルダの構築(SSD延命策等) |
HDDドライブ | 500GB×1台、1TB×1台、3TB×1台NAS(data用、data BackUP用、system BackUP用) |
光学ドライブ | TSSTcorp CDDVDW TS-H663B |
モニター | AOC 24B1XH/11 [23.8インチ]×3台 |
OS | Windows 11 Pro |
⑷ 各ドライブのベンチマーク(仮想ドライブは超早い)
最後に、仮想ドライブ・SSDドライブ・HDDドライブのベンチマークを貼り付けたため、興味のある方は見比べてください。特に仮想ドライブは早いため、「ブラウザの動きがオソッ!」と思っている方は仮想ドライブに放り込んでおくと、サーフインのパフォーマンスはサーバーにもよりますが、格段に上がります。