Linux WSL2のインストール手順や機能の有効化など・Win11/10

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WSLとは、(Windows Subsystem for Linux)の略で、Windows上で動作するLinuxの実行環境である。マイクロソフト社は、開発者のためのツールとしてWSLを提供している。WSL1のベータ版が2016年8月に、正式版が2017年10月に公開されたあと、2019年2月にはWSL2が公開された。

WSL2は、Windows 11/10上で、Linuxカーネルを仮想マシン上で動作させる仕組みである。これにより、Windows上でLinuxのプログラムをネイティブなパフォーマンスで実行することができる。

【注意事項】

WSL2のインストールは、Windows 11またはWindows 10(バージョン1903、ビルド18362以降)の必要がある。

WSL2をインストールするには、少なくとも4GBの空きメモリが必要である。

このページでは、「Linux WSL2のインストール手順や機能の有効化など」を画像を用いながら初心者にも分かりやすく記すことにする。

------[ 目 次 ]------

1、仮想化の確認

2、Windowsオプション機能の有効化

3、インストールを実行

4、WSL2をデフォルトに設定

5、WSL2のアップデート

6、WSL2のOSおよびカーネルの確認

7、他ディストリビューションのインストール

8、aptコマンドのチートシート

【留意事項】

Windowsのバージョンやエディションおよびアップデート状況などにより、表示画面および機能または操作手順などが若干異なる場合がある。

1、仮想化の確認

WSL2をインストールするPCのUEFIまたはBIOSが仮想化テクノロジに設定されている必要があるため確認する。なお、多くのWindows 10のPCと、Windows 11がプレインストールされているすべてのPCでは、既に仮想化が有効になっているため、これらの手順を実行する必要がない場合がある。

確認する手順は各メーカーごとに違いがあるため、必要な場合は以下を参照する。

PCのメーカーに基づく仮想化を有効にする方法

2、Windowsオプション機能の有効化

Windows上にLinuxディストリビューションをインストールする前に、Linux用Windowsサブシステムおよび仮想マシン プラットフォーム オプション機能を有効にする必要がある。その手順を以下に記す。

▶ 手順 1

Windowsの機能の有効化または無効果を以下の手順で開く。

検索がアイコンになっている場合はクリックする。

検索フォームに[機能の有効化]と入力する。

右ペイン内の[開く]をクリックする。

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▶ 手順 2

Windowsの機能の有効化または無効果のダイアログが開いたら、以下のチェックボックスにチェックを入れて有効にする。

[ 155_wsl2-check-01画像 Linux 用 Windows サブシステム]にチェックを入れる。

[ 155_wsl2-check-02画像 仮想マシンプラットフォーム]にチェックを入れる。

チェックを確認して[OK]ボタンをクリックして確定する。

有効化に若干の時間を要するが、PCの再起動が促された場合は再起動する。

【参考】

以前のバージョンまであったWindows Subsystem for Linuxは、Windows 11 22H2では Microsoftストア版に一本化されたため、ダイアログ一覧にはなくなった。

そのため、以前のバージョンでは[ 155_wsl2-check-03画像 Windows Subsystem for Linux]にチェックを入れる。

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3、インストールを実行

このページでは、Linuxディストリビューションを指定しないため、Ubuntuがインストールされることになる。

インストールをコマンドで実行するため、PowerShellまたはコマンドプロンプトを管理者権限で起動して以下のコマンドを実行する。このページでは、コマンドプロンプトを管理者権限で起動した。

▶ 手順 1

PowerShellまたはコマンドプロンプトが起動したら、以下のコマンドを実行する。

[ wsl --install ]

▶ 手順 2

インストールが成功すると以下の「要求された操作は正常に終了しました。変更を有効にするには、システムを再起動する必要があります。」と、表示されるため、CUI画面を閉じてPCを再起動する。

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▶ 手順 3

PCを再起動すると、先ほどインストールしたCUI画面が表示されるためユーザー名、およびパスワード2回を入力する。

【注意事項】

ユーザー名は、インストールするLinuxディストリビューションごとに固有であり、Windowsユーザー名とは違うものである。

Linuxは、パスワードを入力するとき、画面には何も表示されないため注意すること。 これはブラインド タイピングと呼ばれ、入力内容が表示されないが正常である。そのため、むやみに何回も入力しないこと。

4、WSL2をデフォルトに設定

WSL2をデフォルトのバージョンとして設定するため、PowerShellまたはコマンドプロンプトを管理者権限で起動する。

CUI画面が起動したら以下のコマンドを実行する。

[ wsl --set-default-version 2 ]

確認のため、WSL2のバージョンを表示するため以下のコマンドを実行する。

[ wsl --list --verbose ]または[ wsl -l -v ]

以下画像のように「VERSION : 2」が表示され、デフォルトになっていることが見て取れる。

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5、WSL2のアップデート

現在のところ、Ubuntuのアップデート・アップグレードは、Windowsのアップデートなどで自動的に行われないため、定期的にアップデートする必要がある。

それではインストールしたWSL2を起動するが、起動するには多くの方法がある。Windowsのすべてのアプリ内にアイコンがあるため、このページでは以下の方法でWSL2を起動する。

検索がアイコンになっている場合はクリックする。

検索フォーム内に[ubuntu]と入力する。

表示された右ペイン内の[開く]をクリックして起動する。

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以下は Ubuntu 22.04.3 LTS が起動した画像である。画面内には多くのメッセージが表示されているが、最終行にあるように1日一回最初に起動したときだけ表示される。

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WSL2のアップグレードおよびアップデートするため、以下のコマンドを実行する。

[ sudo apt update && sudo apt upgrad ]

[sudo]および[apt]コマンドについては、項目8で説明する。

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6、WSL2のOSおよびカーネルの確認

WSL2のすべてのインストールが完了したところで、Ubuntuを起動してOSおよびカーネルのバージョンを確認してみる。

UbuntuのOSバージョンを確認する場合は、以下のコマンドを実行する。

[ cat /etc/os-release ]

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Ubuntuカーネルのバージョンを確認する場合は、以下のコマンドを実行する。

[ cat /etc/lsb-release ]

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7、他ディストリビューションのインストール

このページでは、WindowsのデフォルトであるWSL2のインストール手順を記してきた。WSL2をインストールすると、自動的にUbuntuがインストールされる。しかし、他のLinuxディストリビューションをインストールする場合は、以下の要領でインストールする。

使用可能な Linuxディストリビューションを一覧表示する場合は、PowerShellまたはコマンドプロンプトを起動し、以下のコマンドを実行する。

[ wsl --list --online ]

PowerShellまたはコマンドプロンプトを起動し、以下のコマンドを実行すると好みのディストリビューションがインストールできる。

[ wsl --install -d <ディストリビューション名> ]

【参考】

<ディストリビューション名>の部分を表示された一覧で、インストールしたい「NAME」をそっくり置き換える。

例、[ wsl --install -d kali linux ] など。

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8、aptコマンドのチートシート

最後に、使用すると思われるaptコマンドのチートシートを記しておくことにする。

aptは、Ubuntuにソフトウエアをインストール、アップデート、アンインストールなどの管理をするためのコマンドで、aptitude(適性)の略語である。

sudoは、一部のプログラムを一般ユーザーに管理者権限で実行させたい場合のコマンドで、Advanced Packaging Tool(高度なパッケージングツール)の略語である。

【apt】コマンドの詳細については以下を参照。

【 apt 】コマンド(基礎編)

▲ apt コマンド チートシート ▲

コ マ ン ド内 容
sudo apt updateパッケージ一覧を更新
※ リポジトリ追加・削除時に実行
sudo apt upgradeパッケージを更新
※ 通常のパッケージの更新
sudo apt full-upgradeパッケージを更新
※ 保留されているパッケージの更新
sudo apt autoremove更新後に必要なくなったパッケージを削除
※ apt実行時にこのコマンドを実行するよう表示された場合に実行
sudo apt install {パッケージ名やdebファイル パス}パッケージやdebファイルのインストールに実行
sudo apt remove {パッケージ名}パッケージを削除
sudo apt remove --purge {パッケージ名}パッケージを完全削除
apt show {パッケージ名}パッケージの詳細情報を表示
apt list {パッケージ名}パッケージの完全一致を検索
apt search {パッケージ名}パッケージの一部分を検索
dpkg -lインストール済みのパッケージ一覧を表示
dpkg -L {パッケージ名}パッケージのインストール先を表示
cat /var/log/apt/history.logaptコマンドの使用履歴を表示
sudo apt autocleanキャッシュはされているが、インストールはされていないdebファイルを削除
sudo apt cleanキャッシュされているすべてのdebファイルを削除
apt mooSuper Cow Powersを発動
echo "{パッケージ名} hold" | dpkg --set-selectionsパッケージをアップデート対象から除外
echo "{パッケージ名} install" | dpkg --set-selectionsパッケージをアップデート対象に戻す
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