マイクロフォン切り替え器の自作
長きにわたってアマチュア無線を楽しんでいると、無線機がどんどん増えてしまい無線機の置き場さえなくなってしまう。そのような中で、マイクロフォンを無線機の台数分だけ用意すると大変なことになってしまう。
そこで、1台の通信機用マイクロフォン(以下「マイク」と記す。)を複数のアマチュア無線機に使用できる切り替え器を自作したため、どなたかの参考になればと思い記すことにした。
⑴ 1台のマイクを、6台の無線機に使用する。
⑵ 最近の無線機のマイクコネクタは、おおむね8系統の信号コントロール端子があるが、メーカーによってそれぞれ信号端子が異なるので、一カ所で6台をコントロールするには回路が複雑になり自作は大変になる。そこで、今回はマイク端子とPTT端子の2系統を切り替えることにして、他のコントロールは無線機側で行うことにする。
⑶ 無線機の切り替えは、ロータリースイッチを切り替えることにより、リレーの一次側をコントロールして、リレーの二次側でマイク端子およびPTT端子を切り替える。
⑷ マイクアンプは、無線機に付いているため基本的には必要ないが、交信中にどうしてもマイクロフォン側でコントロールしたい時があるので、マイクアンプを付けてゲインコントロールをする。
⑸ マイクアンプの電源を自作すると、ハム音などのノイズに悩まされるので乾電池を内蔵する。リレーの電源に同じ乾電池を利用すると便利だが電池の消耗が早く、取り換えが面倒になるために外部電源を利用して2系統の電源にする。
以下は作成前に手書きした図で、図中のコンデンサー容量や抵抗値は、使用するパーツにより決定するため表記していない。
<画面上でクリック拡大>

以下の画像は、アルミケースに組み込んで配線を終えた画像である。マイクアンプ等は下部に配置、上部にリレーコントロール部を配置して2段にした。マイクアンプ電源の乾電池は006P9Vを内蔵、マイク入力の配線は一心シールド線を使用して念のためフェライトコアに通した。
< 左は後面、右は右面 >

正面は化粧パネルにして、切り替えスイッチは持ちやすい大きなつまみを正面に配置、右下は電源スイッチとマイクゲインコントロールのつまみを付け、その上部に電源 ON 時のLEDを付ける。左側下は4ピンの入力用マイクコネクタとジャックを付けて、PTTスイッチと上部にPTT、ON時のLEDを付ける。
後面は6個の出力マイク用マイクコネクタを配置、下部にリレー作動電圧に合わせて外部電源入力用ジャックを付ける。上記手書きノートにはないが、後部にもマイク入力コネクタとジャックおよびPTTコントロール用ジャック(フットスイッチ用)などを付ける。
< 左は正面、右は後面 >

この切り替え器を自作してから交信を始める前にマイクの付け替えが必要なくなり、大変重宝している。また、一番心配していたノイズなどもなく、ローカル局からは、「大変クリアな音だ!」との評価をいただき安心している。