低域が楽しめる簡単なサブウーファーの基板を作製する

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家庭で音楽を聴くツールとしては、1968年に国産初のアイワ製TPR-101ラジオカセットが発売され、その後1986年頃からCDプレーヤーを搭載したCDラジカセが登場してきた。近年ではガラパゴス携帯やスマートフォン、コンピューター等、ありとあらゆるデジタルガジェットで、音楽が楽しめるようになった。しかし、このような機器では低域が今一つである。そこで今回は、低域が楽しめる簡単なサブウーファー基板を作製する。

今回のサブウーファーの回路は、松下開発研究のMKKさんが作製したものである。この回路は、簡単で手軽に造れるCR直列回路で、回路内の損失を3段のトランジスターで補っており、後段のアンプ作製に期待が持てる。何といってもCR回路は、その辺に転がっているジャンク基板からパーツを拾えることである。

1. 基本回路

下図は、MKKさんが作製したウーファー回路で、遮断(カットオフ)周波数が60Hzである。

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基本回路を、シミュレーションしてみると、60Hz付近で遮断されていることが分かる。遮断周波数は、「-3db」と定義されており、出力エネルギーは、1/2になる。

横軸は、左10Hzから右150Hzまでの周波数表示、縦軸左は、出力ゲインを上の0dbから下の27dbまで表示している。

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2. 応用回路

低域を30Hz程度上げたいので、遮断周波数を90Hzに変更する。また、コンデンサーを入手の容易なものに変更する。

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変更した回路をシミュレーションしてみると、90Hz付近が遮断周波数になっているのが見て取れる。

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3. 基板作製

上記の応用回路に従ってプリント基板を作製する。

左は、プリント基板用図、右は、プリント基板用図に従ってプリント基板をエッチングした完成品。プリント基板の大きさは、(W85×D45)

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4. パーツ配置図

パーツの取り付けは、プリント基板の銅箔面に、パーツの足を調整しながら直付けする。取り付けが難しいパーツは特にないが、トランジスターの極性に注意する。

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5. パーツ取り付け

プリント基板に、パーツを取り付けて上部から見た画像。

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上の同画像を多少斜めにした画像。

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6. ケースに納める

ケースに穴あけ加工を済ませて、半田付けした基板をケース内に納め、配線を施す。

以下の画像は、配線の終わったケース内を上部から見たもので、上側がオーディオ入力側、下側がウーファー出力側である。ケースは、ELPAHK-BX02(W65×D100×H35)を使用した。

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以下の画像は、オーディオ入力側から見たもので、左のツマミはゲイン調整用10kオームのボリューム、中央と右のRCA端子は、オーディオのRL入力用である。

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以下の画像は、ウーファーの出力側から見たもので、左側のRCA端子は、ウーファーの出力用、右側はDCソケットで、DC+12V電源を使用するが、中央端子がプラスである。

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7. 考察

今回作製したサブウーファー回路のオーディオ入力に、コンピューターのオーディオ出力を繫いで、出力側に車載用のオーディオアンプ「MGT PWT-36(180W)」を繋ぎ、ソニーのスピーカー「Xplod XS-L1230 150W 4Ω 12インチ」を鳴らしてみたが、ひずみもなく良い音で鳴った。同様にコンピューターからサブウーファーにつないで、その出力を「DENON DSW-555」のアンプ付サブウファースピーカーに繫いで、サブウーファーフイルターをスルーにしてみた。あくまでも耳感だが、普通に低域が良く出てひずみもない。そんなことを繰り返していると、隣の部屋の息子に怒鳴り込まれた。

今回は、オーディオ入力のRLを直付けしたが、この程度のシステムでは問題ない。どうしても気になる場合は、RL側に抵抗を入れれば良いが、出力は大きく落ちてしまう。

最後に、入力側にゲイン調整用の10KΩボリュームを入れてあるが、このボリュームは、回路を保護する役目も果たしてくれる。

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