Windows ADKのダウンロードとインストール手順
Microsoft Windows ADK(Assessment Deployment Kit)は、Windowsオペレーティングシステムのカスタマイズ、評価、新しいコンピューターへの展開に使用できるツールが数多く用意されている。
Windows PE(プリインストール環境)は、PCベンダーなどが出荷前のPCにWindowsをインストールする作業のために使うOSであり、機能を絞り込むことで、ハードディスクにインストールせずに、ネットワークやCD/DVD/USBなどから起動できる点が大きな特長である。またプリインストール以外にも、リカバリや診断など幅広く役立つツールであることは間違いないだろう。
Windows PEはWindows 10 1809以降、Windows ADKとは別にリリースされるようになり、Windows PEをADKのインストールに追加するには、ADK用のWindows PEアドオンをダウンロードし、ADKをインストールした後に付属のインストーラーを実行するようになった。この変更により、ADKのツールに対する RTM後のアップデートが可能になる。
このページでは「Windows ADKのダウンロードとインストール手順」を、画像を用いながら初心者でもわかりやすいように、手順を追って説明することにする。
・ Windows PEのインストール方法は以下を参照。
➡ Windows PEアドオンのダウンロードとインストール手順
過去のWindows ADKおよびWindows PEがインストールされている場合は、コントロールパネルからプログラムのアンインストールで削除する。
以下の画像では、過去のWindows ADKおよびWindows PEがインストールされているため、ポイントして選択し、上部のアンインストール、または右クリックしてコンテキストメニューのアンインストールをクリックする。
アンインストールが完了したら必ずWindowsを再起動する。
以下のMicrosoft Learnにアクセスして「Windows ADK」および「Windows PE」を任意の場所へダウンロードする。
・ Windows ADK/PE ダウンロード ➡ Microsoft Learn
【ダウンロードの参考】
ADKおよびPEをダウンロードする場合は、説明ペインをよく確認して使用しているWindowsのバージョンと一致するADKバージョンをダウンロードする必要がある。
また、使用している環境で複数のWindowsバージョンが混在している場合は、最新のオペレーティングシステムと一致するADKバージョンをダウンロードすること。
Windows 11用の32ビットWindows PEはサポートされていない。最新の32ビットWindows PEはWindows 10用のため、Windows 11には使用できない。
【Windows ADK/PEファイル】
以下の画像は、ダウンロードした Windows ADKおよびWindows PEである。このファイルは、セットアップの実行ファイルであることが見て取れる。
❶ adksetup.exe( Windows ADK)
❷ adkwinpesetup.exe( Windows PE)
ここからは、ダウンロードしたWindows ADKのインストール手順を説明する。
▶ 手順 1
ダウンロードした、Windows ADK [adksetup.exe]をダブルクイックして実行する。
最初に、インストール場所の指定のダイアログメニューが表示される。
❶ [ ◉ このコンピューターに Windowsアセスメント & デプロイメント キット・・・]のラジオボタンにチェックを入れる。
※ インストール場所を変える場合は、[参照]をクリックして変更する。
❷ [次へ]をクリックする。
▶ 手順 2
Windows キット プライバシーのダイアログメニューが表示される。
❶ 「Microsoft が Windows キットの分析情報を収集できるようにしますか?」のラジオボタンの [ ◉ はい] または [ ◯ いいえ] のいずれかにチェックを入れる。
❷ [次へ] をクリックする。
▶ 手順 3
使用許諾契約が表示されるため、内容を確認する。
同意できれば、[同意する] をクリックして次へ進む。
▶ 手順 4
インストールを行う機能の選択のダイアログメニューが表示される。
❶ [ ☑ Deployment Tools] は、Windows PE 起動メディア作成を目的としているため、ここではチェックボックスにチェックを入れる。
❷ [ ☑ User State Migration Tool (USMT)] は、ユーザープロファイルを 32ビットコンピューターから 64ビットコンピューターに移行でき、ユーザーファイルやオペレーティングシステムの設定、アプリケーションの設定などのデータを、新しい Windowsがインストールされたコンピューターに移動する機能があり、PCの更新や交換の際にとても便利なツールである。
なお、USMT をインストールしなければ、Windows PEのインストール時に x64-x86_en-us.msi をインストールしなければならないため、ここではチェックボックスにチェックを入れてインストールする。
[参考]
他機能の選択はインストール後でも簡単に変更できるため、使用目的の機能のみ選択する。よくわからない場合はデフォルトのままで十分だろう。
❸ [インストール]ボタンをクリックする。
▶ 手順 5
ユーザーアカウント制御のダイアログメニューが表示されるため、[はい] をクリックして次へ進む。
▶ 手順 6
機能をインストールしています... が表示されるため、インストール完了まで待機する。
▶ 手順 7
インストールが完了すると、[・・・ キット へようこそ] が表示される。
❶ [ ☑ ファーストステップガイドを起動する] のチェックボタンにチェックを入れる。
※ 起動しない場合は、チェックを入れない。
❷ [閉じる] ボタンをクリックする。
▶ 手順 8
上記でガイド起動にチェックを入れると、ADK/PE展開ツールをダウンロードした以下画像の「Microsoft Learn」のサイトへアクセスできるため、展開ツールの詳細が確認できる。上部の「今すぐ登録」ボタンをクリックすると「Microsoft Ignite」のサイトへアクセスでき、オンライン開催のMicrosoft Igniteに参加するための登録ができる。「Microsoft Ignite」は、米国Microsoft社が毎年主催している全世界規模の技術者向けのフラッグシップイベントである。
このページでは、「Windows ADK」のインストール方法を説明してきたが、冒頭で記したようにバージョン 1809からADKとPEは別々にインストールするようになった。そのため「Windows ADK」のインストール後に、「Windows PE」のインストールを実施する必要がある。
インストール完了後の確認方法は、以前のWindowsの展開ツールはすべてのアプリ内に表示されたが、最近の展開ツールは設定からアプリ内の「インストールされているアプリ」または、「コントロールパネル」から確認することができる。
・ Windows PEのインストール方法は以下を参照。
➡ Windows PEアドオンのダウンロードとインストール手順