Accessibilityプラグインを SDRSharpにセットアップする
SDRSharp rev:1732
2011年 9月に AIRSPY から SDRSharp rev:1 が発表されたが、一般的に使用される SDR プログラム となった。RTL SDR を使用する中で、セットアップや操作などが他よりも比較的簡単で動きも軽い。また、AIRSPY 公式および非公式のプラグインが多く作成されており、いろいろ楽しめることが SDR ユーザーの関心を引くのだろう。
このページでは、SDRSharp プラグインのリストから、SDR Accessibility Plugin(アクセシビリティ プラグイン)をダウンロードし、 SDRSharp rev:1732 にセットアップするまでを、Windows の画像を用いながら分かりやすく記すことにする。
SDR Accessibility Plugin は、SDRSharp リビジョン 1716 以前のプラグインとして使用していた Toolbar Plugin を、SDRSharp リビジョン 1732 に適用するようにバージョンアップしたプラグインである。
※ SDRSharp 1732 の導入 ➡ SDRSharp ダークモードなどのスキン変更が可能に
SDR Accessibility Plugin をググてもタタグっても捜せないため、以前のダウンロードサイトは消滅しているようである。
そこで、しばらくの間ここに置いておくことにする。必要な方は下記からどうぞ!
➡ SDR_Sharp_Accessibility_Plugin_Ver_3.0.zip
ダウンロードした Accessibility Plugin を SDRSharp にセットアップする。
ダウンロードした [ SDR_Sharp_Accessibility_Plugin_Ver_3.0.zip ] を解凍すると、「SDR_Sharp_Accessibility_Plugin_Ver_3.0\SDR# Accessibility Plugin」 2階層フォルダーが作成され、そのフォルダー内に下の画像のように 3つのファイルが生成される。
❶ MagicLine.txt:Plugins.xml ファイルに追加するタグを示すテキストファイル。
❷ SDR# Accessibility Plugin CHANGELOG.txt:Accessibility Plugin の変更履歴を示すテキストファイル。
❸ SDRSharp.AccessibilityPlugin.dll:プラグイン本体で、SDRSharp 実行時に読み込まれる DLL ファイル。
⑴ 下画像の❸ [ SDRSharp.AccessibilityPlugin.dll ] dllファイルを、SDRSharp のカレントフォルダーにコピペする。
⑵ 上画像の❶ [ MagicLine.txt ] テキストファイルをエディタなどで開く。
下画像のタグ <add key="Accessibility Control" value="SDRSharp.AccessibilityPlugin.AccessibilityPlugin,SDRSharp.AccessibilityPlugin" /> が表示されるため、あらかじめクリップボードにコピーしておく。
- <add key="Accessibility Control" value="SDRSharp.AccessibilityPlugin.AccessibilityPlugin,SDRSharp.AccessibilityPlugin" />
⑶ SDRSharp フォルダー内の [ Plugins.xml ] ファイルをエディタなどで開く。
⑷ 前記 (2) でクリップボードにコピーしておいたタグを、下画像(赤文字)のように任意の行へペーストする。
※ 参考
SDRSharp 起動後の表示画面内に操作メニューが表示されるが、ここでペーストした行の並び順に表示される。この Plugins.xml ファイルの表示タグ最終行は、下から2行目になるため、ここでペーストした AccessibilityPlugin のタグは下から3番目に表示されることになる。
- 1. <?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
- 2. <sharpPlugins>
- 3. <add key="AF DNR" value="SDRSharp.DNR.AFNoiseReductionPlugin,SDRSharp.DNR" />
- 4. <add key="IF DNR" value="SDRSharp.DNR.IFNoiseReductionPlugin,SDRSharp.DNR" />
- 5. <add key="Baseband Noise Blanker" value="SDRSharp.NoiseBlanker.BasebandNoiseBlankerPlugin,SDRSharp.NoiseBlanker" />
- 6. <add key="IF Noise Blanker" value="SDRSharp.NoiseBlanker.IFNoiseBlankerPlugin,SDRSharp.NoiseBlanker" />
- 7. <add key="Demodulator Noise Blanker" value="SDRSharp.NoiseBlanker.DemodulatorNoiseBlankerPlugin,SDRSharp.NoiseBlanker" />
- 8. <add key="Wave Recorder" value="SDRSharp.WavRecorder.WavRecorderPlugin,SDRSharp.WavRecorder" />
- 9. <add key="Zoom FFT" value="SDRSharp.ZoomFFT.ZoomFFTPlugin,SDRSharp.ZoomFFT" />
- 10. <add key="Band Plan" value="SDRSharp.BandPlan.BandPlanPlugin,SDRSharp.BandPlan" />
- 11. <add key="Accessibility Control" value="SDRSharp.AccessibilityPlugin.AccessibilityPlugin,SDRSharp.AccessibilityPlugin" />
- 12. <add key="Frequency Manager" value="SDRSharp.FrequencyManager.FrequencyManagerPlugin,SDRSharp.FrequencyManager" />
- 13. <add key="Signal Diagnostics" value="SDRSharp.Diagnostics.DiagnosticsPlugin,SDRSharp.Diagnostics" />
- 14. </sharpPlugins>
SDRSharp を起動すると、左側の操作メニュー内に、セットアップした [ ▶ Accessibility Control ] のプルダウンメニューが、下から3番目に表示されていることが見て取れる。
⑴ [ ▶ Accessibility Control ] のプルダウンメニューをクリックする。
⑵ Accessibility Control のダイアログメニューが開くと以下の画像のようになる。
ここから、このメニュー内容を以下に記すことにする。
⑶ [ ☑ Enable Keyboard Shortcuts ] のチェックボックスにチェックを入れると、キーボードショートカットキーが有効になると同時に、以下の [ Key Assignments ] キー割り当てボタンも有効になる。
また、ショートカットキー有効状態で、[ Key Assignments ] ボタンをクリックすると、以下画像のキー割り当て一覧表が表示される。
⑷ [ ☑ Enable Toolbar Buttons ] のチェックボックスにチェックを入れると、ツールバーが有効になり SDRSharp の上部に表示されると同時に、以下の [ Select Buttons ] やチェックボックスも有効になり、各アイテムの選択ができる。
⑸ SDRSharp の上部に表示されたツールバーの右側に [ ▽ ] プルダウンボタンが表示される。このボタンは、上記の[ Select Buttons ] と同じメニューが表示されるため、セレクトプルダウンボタンとでも名付けよう。
⑹ それでは、[ Select Buttons ] で表示されるメニューを、上記のセレクトプルダウンボタンのメニューにより順に記すことにする。
❶ Detector Switches:検出器スイッチで、変調の方式(モード)を選択する。
❷ Band Selector:バンドセレクターで、各バンドを選択する。
❸ Memory Bank:メモリープリセットで、再度聞きたい周波数を 10個のメモリーに保存および呼び出しができる。
※ 使用方法
・ 保存は、保存したいメモリーボタンを右クリックする。
・ 呼び出しは、保存したメモリーボタンを通常クリックする。
・ メモリーをクリアするには、右端の [ C ] ボタンをクリックすると、「すべてクリアしてもいいか?」のダイアログメニューが表示されるため、 [ はい ] をクリックする。
❹ Mode Control:Digital または Analog の右側 [ ... ] 設定アイコンをクリックすると、Mode Control- Digital / Analog Configuration ダイアログメニューが表示され、受信中の自動入力やユーザーの好みに応じて多くの構成ができる。とてもユニークな構成ができそうである。
また、構成後に [ Digital ] または [ Analog ] ボタンをクリックすると、構成状態を再現する。なお、構成方法の詳細についてはメニューを見ると理解できるため割愛する。
❺ Bandwidth Slider:帯域幅フィルターで、スライドバーを左側へスライドすると狭くなり、右側へスライドすると広がる。
❻ Bandwidth Stepper:帯域幅のステッパーで、[ MIN ] ボタンは 10Hz、[ MAX ] ボタンは 16kHzのステップ幅になる。また、プルダウンメニューでステップ幅を選択後、[ ≪ ] ボタンで狭い方へステップし、[ ≫ ] ボタンで広い方へステップする。
❼ Squelch Controls:AM および AM モードで使用するスケルチコントロールスライダーで、[ ☑ Enable Squelch ] のチェックボックスにチェックを入れ、スライドバーを左側へスライドすると遮断、右側へスライドすると解放する。
❽ Analyzer Controls :簡易型のスペクトラムアナライザーコントロールで、SDRSharp 本体のメニュー内にある [ Display ] とほぼ同等である。
Zoom コントロールスライダーは、左スライドでレベル小、右スライドでレベル大になる。また、[ ☑ Mark Peaks ] にチェックを入れると、スペクトルにピークマークが付き、[ ☑ Show Time Markers ] にチェックを入れると、ウォーターフォールに経過時間が表示される。
❾ AGC Controls :AGC コントロールで、SDRSharp 本体のメニュー内にある [ AGC ] 同等のため詳細については割愛する。なお、両方で設定した場合は、本体の設定が優先される。
❿ Frequency Stepper :周波数のステッパーで、中央のフォーム内にステップ幅(単位 Hz)を入力または選択後、[ ≪ ] ボタンで低い方へステップし、[ ≫ ] ボタンで高い方へステップする。
また、[ ☑ Use Snap as Step ] にチェックを入れると、ここでのステップ幅は無視され、SDRSharp 本体のメニュー内にある Snap to Grid で設定してあるグリッド幅が優先されてステップするようになる。
⓫ Direct Frequency Entry :表示されたフォーム内に直接受信周波数を入力し、単位ボタン [ ◉ MHz ] または [ ◉ kHz ] にチェックを入れ、[ SET ] ボタンをクリックすると、直接入力周波数に飛べる。
⓬ Resource Monitor :リソースモニターで、SDRSharp の PID およびトータルスレッド、物理メモリーの総容量と使用率、また CPU 使用率が表示される。
⓭ Spectrum Stepper :スペクトラムステッパーで、プルダウンメニュー内からステップしたい周波数を選択後、[ ≺ ] ボタンをクリックすると下の周波数に、[ ≻ ] ボタンをクリックすると上の周波数にステップする。[ Full Span ] は、スペクトラムの表示幅の周波数分をステップする。
また、[ ☑ Match Snap Step ] にチェックを入れると、SDRSharp 本体のメニュー内の Radio の [ Snap to Grid ] で設定した周波数幅をステップする。
⓮ SNR Meter :受信信号とノイズフロアの差をデシベルで表す [ SNR ]メーターである。今更でもないが、無線機が受信する信号が -60dBmで、ノイズフロアの測定値が -80dBmだとすると、SNRは 20dBとなる。
・ SNR メーター上でダブルクリックすると、以下画像の矢印順にメーターの色が、グリーン➡ブルー➡レッド➡イエロー➡アンバー➡シルバー➡に変化する。「あなた好みの色は何色かな?」
⓯ Undock Toolbar :ツールバーのドッキング解除で、ツールバーが SDRSharp 本体から外れ、フローティングツールバーになって、パソコン画面の好みの場所に張り付けることができる。最も左側にプッシュボタンが出現し、[ Play ] および [ Stop ] ができる。少し欲を言うと、[ ▽ ] セレクトプルダウンボタンが欲しいところである。
⑺ [ ☑ Enable Toolbar Buttons ] にチェックを入て有効にした状態で、以下の操作が可能になる。
❶ [ ☑ Use Floating Toolbar ] :のチェックボックスにチェックを入れると、前記のフローティングツールバーが使用可能になる。
❷ [ ☑ Always On Top ] :のチェックボックスにチェックを入れると、フローティングツールバーが常にトップ表示になる。
❸ [ ☑ Hide Toolbar Borders ] :のチェックボックスにチェックを入れると、ツールバーの境界線およびタイトルバーを非表示にしてさらに小さくなる。
⑻ ここでは、ダイアログメニューを表示し、スペクトル表示画面に設定結果やコメントなど、テキストを表示する位置、およびそのテキスト表示時間などを設定する。
❶ [ ☑ Enable On Screen Display ] :のチェックボックスにチェックを入れると、[ Settings... ] ボタンが有効になるが、SDRSharp をスタートしてからクリックする。
※ 注意事項
現時点では、ダイアログメニューの表示後は SDRSharp のスターができなくなるため、[ Settings... ] ボタンをクリックする前に SDRSharp をスタートすること。
❷ 画面表示設定の On Screen Display Settings ダイアログメニューが表示され、以下のような設定ができる。
Ⓐ Text Position: テキストの表示位置を設定する。詳細は以下 ⑼ に記す。
Ⓑ Text Size: テキストサイズをアンダーバーで設定する。(左➡小、右➡大)
Ⓒ Brightness: テキストの輝度をアンダーバーで設定する。(左➡暗い、右➡明るい)
Ⓓ Dwell Time: テキストの滞留時間をアンダーバーで設定する。(左➡0秒、右➡2秒)
Ⓔ [ ☑ Show Detector on Analyzer ] のチェックボックスにチェックを入れると、スペクトラム表示画面の右上部 Shortcuts Active の横に現在の受信モードを表示する。
⑼ 前記 ⒶのText position: のプルダウンメニュー内、テキストの表示位置設定内容は記すほどでもないが、画像を用意したため記しておくことにする。
Text position(テキスト表示位置) | ||
---|---|---|
Ⓐ Top Left : 左上 | Ⓑ Bottom Left : 左下 | Ⓒ Top Center : 上中央 |
Ⓓ Center : 中央 | Ⓔ Bottom Center : 下中央 | Ⓕ Top Right : 右上 |
Ⓖ Bottom right : 右下 |
⑽ 最後に、SDR Accessibility Plugin Ver. 3.0 を SDRSharp rev:1732 にセットアップした画像を表示して、このページを終了する。