右クリックメニューをワンクリックで表示する方法・Windows 11
Windows 10までの右クリックメニュー(以下「コンテキストメニュー」と記す。)にコマンドを追加でき、よく使うコマンドが手軽に呼び出せて便利な一方、コンテキストメニューが無秩序に長大になりがちだという欠点を抱えていた。そこでWindows 11ではコンテキストメニューの設計が見直され、現在の表示に変更された。
この変更でコンテキストメニューは非常にコンパクトになり、アイコンやコマンドの配置に気配りされているため、使い勝手も向上した。しかし、よく使用するアプリが新デザインのコンテキストメニューに対応していないため、毎回「その他のオプションを表示」コマンドの利用を余儀なくされる。このようなことから、旧デザインのコンテキストメニューを望むユーザーは少なくない。
そこでこのページでは、コンテキストメニューをワンクリックで表示できる、旧デザインのコンテキストメニューに変更する方法などを、分かりやすいようにWindowsの画像を用いながら記することにする。
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【留意事項】
Windowsのバージョンやエディションおよびアップデート状況などにより、表示画面および機能または編集手順などが若干異なる場合がある。
コンテキストメニューに変更するにはレジストリを編集するが、間違って編集してしまうとWindows が立ち上がらなくなってしまう場合がある。そこで、間違った場合は元に戻せるように面倒がらず、編集前にレジストリをエクスポート(バックアップ)しておく必要がある。
▶ 手順 1
レジストリのエクスポートは、レジストリエディターを起動してから以下の手順で行う。
❶ [スタートボタン] を右クリックする。または[Windows+R]キーを押す。
❷ 表示された ファイル名を指定して実行 の名前のフォーム内に、[regedit]と入力する。
❸ [OK] をクリックする。または[Enter]キーを押す。
※ 参考
私の場合はレジストリを書き換えることが多いため、レジストリエディターのショートカットをデスクトップに貼り付けてある。
・ レジストリエディターの実行ファイル場所は ➡ "C:\Windows\regedit.exe"
▶ 手順 2
ユーザーアカウント制御のダイアログメニューが表示されるため、[はい]をクリックする。
以下はレジストリエディターが起動した画像である。
▶ 手順 3
レジストリのエクスポートは、以下の手順で行う。
❶ 上部メニューの[ファイル]をクリックする。
❷ 表示されたメニュー内の[エクスポート]をクリックする。
▶ 手順 4
保存場所を指定し、ファイル名のフォーム内に任意の名前を付けて保存する。
❶ ここでは、registryの後に日付を付けて「registry 2023_03_26」とした。
❷ 名前を付けたら[保存]をクリックして保存する。
※ 参考
レジストリ編集後に不具合が生じた場合は、ファイルメニューからインポートをクリックして、上記で名前を付けた保存ファイルを指定すれば元に戻せる。
ここから本題に入るが、レジストリのサブキー「CLSID」の下位に新しいIDを作成し、コンテキストメニューが目的の表示になるように、以下の手順で編集する。
※ 参考
CLSIDを簡単に説明すると、WindowsのCOM (Component Object Model) という技術に関係するIDである。COMは、プログラムのコンポーネントを再利用できるようにする技術のひとつであり、そのコンポーネントには長い暗号のような固有のIDが付けられるが、それがCLSIDである。
COMのコンポーネントのIDをレジストリに登録することで、そのコンポーネントを探して機能を呼び出せるようになる。
▶ 手順 1
サブキー[CLSID]の下位に新しいキーを作成するため、アドレスバーに以下のレジストリ ツリーをコピペする。
▶ 手順 2
サブキーCLSIDが表示されたら以下の手順で編集する。
❶ [CLSID]を右クリックする。
❷ 表示されたメニュー内の[新規]をポイントする。
❸ 表示されたメニュー内の[キー]をクリックする。
以下の画像のように「新しいキー #1」キーが生成される。
▶ 手順 3
[新しいキー #1]を削除して、以下のキー名にリネームする。[Enter]キーを押すと、リネームした以下のキーが生成される。
▶ 手順 4
さらに手順3で作成したキーの下位にサブキーを作成する。
❶ 作成したキーを右クリックする。
❷ 表示されたメニュー内の[新規]をポイントする。
❸ 表示されたメニュー内の[キー]をクリックする。
以下の画像のように「新しいキー #1」キーが生成される。
▶ 手順 5
前記同様に、[新しいキー #1]を削除して、以下のキー名にリネームする。[Enter]キーを押すと、リネームした以下のキーが生成される。
▶ 手順 6
前記手順5で作製したサブキーの「値のデータ」を編集する。
❶ 作成したサブキー[InprocServer32]をクリックする。
❷ 右パイン内に[(既定)]が表示されるため右クリックする。
❸ 表示されたメニュー内の[修正]をクリックする。
▶ 手順 7
文字列の編集ダイアログメニューが表示されるため、以下の編集をする。
❶ 値のデータのフォーム内は[NUL]の状態にして何も入力しない。
❷ [OK]ボタンをクリックして終了する。
これでレジストリすべての編集は終了したため、メニューからレジストリエディターの終了をクリックしてレジストリエディターを閉じる。
最後に、開きたい実行アプリやショートカットまたは、フォルダーなどを右クリックして、コンテキストメニューが旧デザインのコンテキストメニューに変更されているか確認してみる。確認できたら必要なコマンドをクリックして、コマンドどおりに作動すれば大成功である。もしも、うまくいかない場合は、最初から見直す必要がある。
また、元に戻したい場合は、「CLSID」キーの下位に追加した[{86ca1aa0-34aa-4e8b-a509-50c905bae2a2}]を右クリックし、表示されたコンテキストメニューから削除をクリックする。
コマンドで元に戻したい場合は、管理者権限でターミナルを起動し、以下のdeleteコマンドを入力して[Enter]キーを押す。