長さがちょっと足りないときのUSB2.0延長アダプターの自作

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USB(Universal Serial Bus)が登場する以前までは、パソコンと周辺機器を接続しようとするとパラレルポート、シリアルポート、SCSIポート等々の規格に合わせたケーブルを使い分けしなければならず、精神的にも金銭的にも大変だった。USBが普及してからはケーブル1本で周辺機器が何でも接続できてしまい大変便利になった。

しかし、その便利なUSBケーブルでも、コンピュータに機器を接続しようとすると「長さがちょっと足りない!」ということがある。そのようなときにUSBケーブルをもう1本接続して延長する、USB2.0用延長アダプターを自作する。

USB2.0電源アダプターの自作は ➡ USB2.0電源アダプターの自作

1. USBコネクタ/レセプタクルの極性

以下の画像は、基板取り付け用USBコネクタ/レセプタクル Aタイプの極性を示した画像。

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以下の画像は、基板取り付け用USBコネクタ/レセプタクル Bタイプの極性を示した画像。

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USBコネクタ/レセプタクル Aタイプおよび Bタイプ出力信号。
・ ピン番号①の信号・・・ Vbus(+5V)
・ ピン番号②の信号・・・ -Data(D-)
・ ピン番号③の信号・・・ +Data(D+)
・ ピン番号④の信号・・・ GND(-アース)

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10個入り直角4ピンDIP基板実装用USB(A)メス

10個入り90度4ピンDIP基板実装用USB(B)メス

2. 配線

以下の画像は、USBコネクタ/レセプタクル Aタイプおよび USBコネクタ/レセプタクル Bタイプの接続配線図。

USB2.0ケーブルの最大長は5メートルまでと決まっており、5メートルを超える場合はハブが必要になってくる。ここでは簡易的に使用するアダプターのため、電圧降下になることを考慮して、100μF程度の電解コンデンサを取り付ける。また、コンデンサは、ノイズが発生した時に軽減する役目もあるためにダブル効果がある。

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3. 基板へ取り付け

基板にパーツを配置して半田付けをするが、基板をケースに納める場合は、ケース内側の寸法をピッタリに基板をカットすると、使用するときにガタつきがなくなるために使いやすい。

今回は蛇の目基板を使用したが、プリント基板へ取り付けたい場合は、下記データシートの寸法図を参照すること。

・ 基板用USBコネクタ/レセプタクルAタイプ寸法図「Aタイプ.webp

・ 基板用USBコネクタ/レセプタクルBタイプ寸法図「Bタイプ.webp

以下の左は側面画像、右は上部画像。

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ケース内に基板を固定させるにはビス止めが良いが、今回は絶縁効果のあるエポキシ系の接着剤を使用した。間違っても導体系の接着剤や両面テープなどは使用しないこと。

以下画像の左は、蛇の目基板の半田付け面、右はプラスチックケースを加工して、ケース内に納めた画像。

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4. 完成

本来は外部からの電気的なノイズによる誤作動を起こさないように、金属ケースを使用しなければならないが、プラスチックケースを使用した理由は、金属ケースに比べ加工が容易である「手抜き!」。また、このレベルの機器ではノイズによる誤作動はほとんど考えられない「言い訳?」。

使用したプラスチックケースは、TAKACHI SW-40S (W30mm×D40mm×H20mm)「データシート.webp

以下の左画像は、USBコネクタ/レセプタクル Aタイプ側。右画像は、USBコネクタ/レセプタクル Bタイプ側。

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5. PCからアクセスして確認

デスクトップコンピュータのUSB2.0から、3メートルのUSBケーブルを引き出し、今回自作した「USB延長アダプター」を接続する。さらに同じ長さのUSBケーブルを以下画像のように接続し、末端に外付けのハードディスク、DVDレコーダー、USBメモリなどを接続して、各々にアクセスを試みたら問題なく作動した。

これで、「USBケーブルが届かない!」は、解消するだろう。

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