小電力機器に使用できるUSB電源アダプターを自作する
USB(Universal Serial Bus)は、基本的には信号デバイス用として設計されているが、小電力のデバイスについては、接続された周辺機器の駆動電源のバスパワーにも対応しており、供給電圧は5V(±10%)、電流はローパワーデバイスでは100mA、ハイパワーデバイスのUSB2.0では最大500mA、USB3.0では最大900mAとされている。近年はPCやハブのUSBポートからコンセントのように簡単に電力が得られることを利用して、USBを電源供給のみに使用しているオーディオプレイヤーやモバイル機器、充電機器やLED電球、小型の扇風機まで登場している。これらの商品が市場に出回ってきたのに対応して、100Vから直接電源が供給できる、USB電源アダプターが安価で販売されている。
今回は、前記の小電力機器に使用できる、DC電源からUSB2.0電源へ変換する「USB2.0電源アダプター」を自作する。
・ USB2.0延長アダプターの自作は ➡ USB2.0延長アダプター 自作
以下の画像は、標準DCジャック パネル取り付け用(2.1mm)MJ-14 の極性を示した画像。
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以下の画像は、基板取り付け用USBコネクタ/レセプタクル Aタイプの極性を示した画像。
USBコネクタ/レセプタクルAタイプの出力信号。
①ピン番号の信号・・・Vbus(+5V)
②ピン番号の信号・・・-Data(D-)
③ピン番号の信号・・・+Data(D+)
④ピン番号の信号・・・GND(-アース)
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以下の画像は、DCジャックと基板取り付け用USBコネクタ/レセプタクルAタイプの配線を示した画像。
電圧降下を考慮して電解コンデンサー100μF程度、また、ノイズ発生時の軽減にセラミックコンデンサー0.01μF程度を、下図のように取り付ける。
以下の画像は、基板取り付け用USBコネクタ/レセプタクルAタイプと、電解コンデンサー100μFおよびセラミックコンデンサー0.01μFを、蛇の目基板へ取り付けた画像。
画像で確認できる赤色のリード線は、DCジャックのプラスに、また、黒色のリード線は、DCジャックのマイナスに接続する。なお、右画像は、左画像を180度回転した画像。
以下の画像は、プラスチックケースを加工して、基板をケース内にビス止めして納め、DCジャックへ配線を施す。
使用したプラスチックケースは、TAKACHI SW-40S (W30mm×D40mm×H20mm)「データシート.webp」
左は、DCジャック側の画像、右は、USBコネクタ/レセプタクルAタイプ側の画像。
上部からみた画像で全体像が見て取れる。
以下の画像は、プラスチックケースに上蓋を付けて完成した画像。
左は、DCジャック側の画像、右は、USBコネクタ/レセプタクルAタイプ側の画像。
以下の画像は、出力DC+5V4AのACアダプターを利用して、オーディオプレイヤーの充電をしている画像。
結果は、コンピュータのUSBで充電したときと同じように充電ができた。
以下の画像は、出力DC+5V4AのACアダプターを付けて、市販品のUSBアダプターを付けた画像。
自作で使用した「DCジャック」の規格はDC12V0.5Aであり、5Vで使用すると計算上の出力電流は1.2Aである。
また、「基板取り付け用USBコネクタ/レセプタクルAタイプ」の規格はDC30V1Aであり、5Vで使用すると計算上の出力電流は6Aになる。
しかし、今回自作した「USB電源アダプター」をDC5Vで使用する場合は、「DCジャック」の規格に合わせ、定格出力電流は1.2Aになる。
上の画像のようにUSBが3個口あり、同容量機器3個を同時に使用した場合は、1個口の最大出力電流は0.4Aでなくてはならない。厳密には総合出力電流が1.2Aを超えると、自作したUSBアダプターが発熱して発火の恐れがあるので注意が必要である。
また、この画像のような使い方をする場合は、市販品のUSBアダプター1個口の定格出力電流も知る必要があり、その出力電流を超えて使用してはならない。使用する場合は、定格出力電流を超えないよう十分な注意が必要である。