一連の画像処理を繰り返し行うアクション作成・Photoshop
Adobe Photoshopには、画像処理を繰り返し行うアクション機能がある。アクション機能は、一連の作業を記憶しておいて、記憶した作業を簡単に再利用できる機能である。例を挙げると、画像サイズの変更や解像度の変換、画像に効果の適用、画像ファイルを目的の形式で保存、等々のアクションが作成できる。アクション機能を使用することで、その都度作成する作業手順を、自動的に繰り返し実行できるため時短にもなり、大変便利な機能である。また、アクション機能を基に、ドロップレットを作成し、大量の画像が自動処理できる機能も有している。ドロップレットの作成は ➡ [Photoshopでドロップレット作成]を参照。
ここでは、初心者に理解しやすいように、簡単に作成できると思われる方法を、一コマずつ画像を使って説明する。使用したソフトウェアは、Adobe Photoshop CC(Ver:14.0×64)である。
アクション作成に使用する画像を用意する。ここでは、デスクトップに「アクション」フォルダーを作り、そのフォルダーの中に、画像「ANT.jpg」を入れた。
ここで作成するアクションは、画像幅を300pixelに変更して、画像の高さは画像幅に自動比例させ、解像度を96pixelに変換するという簡単なものである。
▶ 手順 1
hotoshopを立ち上げて、【メニューバー】>【ウィンドウ(W)】>【アクション】をクリックする。
▶ 手順 2
画面の右下に、「アクションパネル」が表示されるのを確認する。
▶ 手順 3
アクションパネル下の【新規アクションを作成】アイコンをクリックする。
▶ 手順 4
小窓が開いたら【アクション名(N)】の入力フォーム欄に、後で見てもわかりやすいアクション名を入力する。ここでは、画像解像度の横幅を300pxに変更して、画像形式をPNGフォーマットに変換するとして、「300_png」とする。
▶ 手順 5
他のプルダウンメニューは、ここではデフォルトにして、【記録】をクリックする。
▶ 手順 6
アクションパネル下の記録アイコンボタンが「赤色」に変わり、これから行う作業のすべてが、記録を中止するまでアクションファイル(.atn)として記録されるため、慎重に行う。
▶ 手順 7
事前に用意した画像ファイルを開くため、【メニューバー】>【ファイル(F)】>【開く(O)】をクリックする。
▶ 手順 8
小窓が開いたら、アクションフォルダ内の画像「ANT.jpg」をクリックし、【ファイル名(N)】に「ANT.jpg」が表示されたらたら【開く(O)】をクリックする。
▶ 手順 9
開いた画像が、Photoshopの画面に表示されたら、【メニューバー】>【イメージ(I)】>【画像解像度(I)】をクリックする。
▶ 手順10
小窓が開くため必要な項目を入力する。ここでは、【幅(D)】に「300」pixelを、【解像度(R)】に「96」pixel/inchを入力する。他は、下の画像同様デフォルトにする。入力が終わったら、【OK】をクリックする。
※ 【幅(D)】と【高さ(G)】間の鎖のマークをクリックすると個別に入力できるが、縦横比が変わる。
▶ 手順11
表示している画像が、入力した大きさの画像に変わったら、【メニューバー】>【ファイル(F)】>【別名で保存(A)】をクリックする。
▶ 手順12
小窓が開いたら、【ファイル名(N)】にファイル名を入力し、【ファイルの種類(T)】をプルダウンメニューから選択する。ここでは、【ファイル名(N)】は開いたファイル名と同じ「ANT」に、【ファイルの種類(T)】は、「PNG」を選択する。選択すると、拡張子は「jpg」から「png」に変更される。
▶ 手順13
【ファイル名(N)】が入力した画像名に、【ファイルの種類(T)】が選択した拡張子になっていることを確認して、【保存(S)】をクリックする。
▶ 手順14
オプションの小窓が開くため、それぞれ必要な項目のラジオボタンを選択し、【OK】をクリックする。ここでは、【圧縮】を「なし/高速(O)」に、【インターレース】は「なし(N)」を選択する。
▶ 手順15
画面に表示されている画像を、【メニューバー】>【ファイル(F)】>【閉じる(C)】をクリックして閉じる。ここまでのプロセスを、アクションに記録することになる。
▶ 手順16
アクションパネル下の【再生/記録を中止】のアイコンをクリックして、アクションの作成を終了する。
▶ 手順17
最後は、記録アイコンボタンの赤色が消えるのを確認する。これで、すべてのアクションのプロセスを終了する。
それでは、作成したアクションを再生してみることにする。
▶ 手順 1
最初の「1、準備」で用意したフォルダーの中に、アクションの作成に使用した画像以外の画像を用意し、用意した画像情報を簡単に確認しておく。ここでは、下の画像「開聞岳.jpg」を用意した。
画像情報は、
・項目の種類:JPEGイメージ
・大きさ:1467×972
・サイズ:472KB
となっている。
▶ 手順 2
Photoshopを立ち上げて、【アクションパネル】の「アクション名」をクリックする。ここでは、作成した「300_png」をクリックする。
▶ 手順 3
次は、アクションパネル下の【選択項目を再生】をクリックする。
▶ 手順 4
小窓が開くため再現する画像をクリックして、【ファイル名(N)】に画像名が表示されるのを確認し、【開く(O)】をクリックすると、記録したアクションが瞬時に再現される。これで再生は終了である。
▶ 手順 5
それでは、用意したフォルダー内の画像を確認してみる。フォルダーの中には、再生前と再生後の2つの画像が入っているのが見て取れるため、画像情報を簡単に確認してみる。
画像情報は、
・項目の種類:PNGファイル
・大きさ:300×199
・サイズ:194KB
となっている。確認方法は簡易的だが、作成どおりにアクションが実行されていることが分かる。
今回は、アクションの作成から再生までのプロセスを、分かりやすいと思われる方法で記してきたが、このアクションの作成方法は、他にも多くの方法がある。このプロセスを基に、自分自身の方法を見い出して、より良いものを作成してほしい。