データを維持してISOイメージで Windows を初期状態に戻す方法
Windowsを長い間使用していると、Windowsやアプリのアップデートなどにより、パソコン内に不要なデータが蓄積してしまう。そのためシステムなどの容量が肥大化し、システムが稼働しているストレージを圧迫するようになる。そうなるとパソコンの動きは緩慢になり、Windowsシステムに影響を与えてエラー等が頻発するようになる。
このページでは、このようなパソコンがまだ起動できているうちに、インストールしたアプリやデータは現在の状態を維持しながら、ISOイメージからWindowsを初期状態に戻してストレージの圧迫を緩和し、パソコンの動きを敏速にする方法を、画像を用いながら記すことにする。
【留意事項】
Windowsのバージョンやエディションおよびアップデート状況などにより、表示画面および機能または操作手順などが若干異なる場合がある。
----- 関連記事 -----
➡ ISOイメージファイルのダウンロード手順・Windows 11
➡ インストール用USBメディアを作成する方法・Windows 11
Windowsを初期状態に戻すには「回復」など多くの方法が用意されているが、このページでは初期化するWindowsのエディションやバージョンを間違えなければ、比較的エラーの出にくい「ISOイメージ」を使用して初期化する方法である。
【留意事項】
Windowsのインストールメディア(USB/DVD)が必要になってくるが、このメディアは「初期化を実施するWindows のエディションおよびバージョンが同等」でなければならない。エディションまたはバージョンが異なる場合は「初期化は不可」のため、Windowsのエディションおよびバージョンの確認は必須である。
⑴ Windows 11のエディションおよびバージョンを調べるには、以下の手順で仕様を確認する。
・ [スタートボタン] ⇒ [設定] ⇒ [システム] ⇒ [バージョン情報] ⇒ [Windowsの仕様]
⑵ Windowsのインストールメディアは通常ISOイメージを作成し、そのISOイメージのファイルをUSBやDVDに焼いて作成する。もしも手持ちがない場合は、すべてではないが以下のMicrosoft公式サイトからダウンロードできる。Windows 7/8.1については終了している。また、インストールメディアの作成方法は、前記の関連記事にある。
Windowsを初期状態に戻す(以下、「初期化」と記す。)前に、万が一のトラブルに備えて、必ずPCのバックアップを外部メディアに取っておく必要がある。
準備が整ったところで、Windowsを初期化する方法を、手順を追いながら進めていくことにする。このページで使用したエディションはWindows 11 Pro、バージョンは23H2のISOイメージをUSBメディアに焼いたものである。
▶ 手順 1
タスクバーの[スタートメボタン]を右クリックし、[エクスプローラー]を開き、左ペイン「ナビゲーション ウィンドウ」内の[PC]をクリックする。表示された右ペイン「詳細ウインドウ」内にUSBメディアが見て取れる。
❶ USBメディアを[右クリック]する。
❷ 表示されたコンテキストメニューの[開く]をクリックする。
【参考】
ISOイメージを直接アクセスする場合は、[ISOファイル]を右クリックして表示されたコンテキストメニューの[プログラムから開く]をポイントし、[エクスプローラー]をクリックする。
▶ 手順 2
ファイルが表示されたら、セットアップ ファイルを管理者権限で実行する。
❶ 実行ファイル[setup.exe]を右クリックする。
❷ 表示されたコンテキストメニューの[管理者として実行]をクリックする。
▶ 手順 3
ユーザーアカウント制御が表示されるため、[はい]をクリックして実行を許可する。
準備中がパーセンテージで表示され、進行状況が見て取れる。
▶ 手順 4
Windowsのインストールダイアログが表示されるため、[セットアップでの更新プログラムのダウンロード方法の変更]の文字をクリックする。
▶ 手順 5
インストール中に、更新プログラムやオプション機能など、入手の有無を選択するダイアログが表示される。これらのプログラムは初期化後に入手できるが、面倒になるためここで入手する。
❶ [更新プログラム、ドライバー、オプション機能をダウンロードする(推奨)]のラジオボタンをクリックする。
❷ [次へ]をクリックする。
更新プログラムなどの入手にチェックを入れたため、更新プログラムのダウンロードのためのチェックが開始される。
「準備をしています」が表示される。
▶ 手順 6
「適用される通知とライセンス条項」では、内容を確認して[同意する]をクリックする。
ここでは、ライセンス条項に同意したため、事前にチェックしておいた更新プログラムのダウンロードなどが開始され、その経過がパーセンテージで見て取れる。
▶ 手順 7
以下の画像内に表示のとおり、インストール中にパソコンは使用できないため、[引き継ぐものを変更]をクリックしてその内容を確認する。
▶ 手順 8
引き継ぐ項目のダイアログが表示されるため、以下の項目を確認する。
❶ [個人用ファイルとアプリを引き継ぐ]のラジオボタンにチェックが入っていることを確認する。
❷ [次へ]をクリックする。
引き継ぐ項目に必要な更新プログラムのチェックとダウンロードが開始される。
▶ 手順 9
必要なプログラムのダウンロードがすべて整ったため、インストール準備完了のダイアログが表示される。以下画像に表示の通り、ここからはパソコンを使用できなくなるため、パソコン内で作業している場合はすべて終了して、[インストール]ボタンをクリックする。
Windowsのインストールが開始されるが、気が変わりどうしてもインストールをキャンセルしたい場合は、キャンセルボタンをクリックすると最後のキャンセルができる。しかし、元に戻すために若干時間がかかる。
画面が黒色の背景に代わり、更新プログラムの構成をパーセンテージで示している。
※ 注意
画面表示のとおり、ここからの工程以降は間違っても電源を切らないこと。もしも電源が切れてしまったらパソコンは起動しなくなるため、停電は恐怖である。
再度電源の警告を出す。
ご親切に再三にわたって警告が表示される。
プログラムのインストールが終了すると、初期化されたWindowsのサインイン画面が表示されるため、パスワードを入力してサインインする。また、自動サインインを設定していた場合は、直接デスクトップが表示されるようになる。
ここまでWindowsを初期化する方法を記してきたが、Windowsのダウンロードから始めると多くの時間を必要とする。しかし、Windowsをインストールして初期化が完了すると、ストレージの空き領域も増えてパソコンの動きも良くなるため、ストレージをわざわざ交換する必要はなくなる。さらにシステムドライブの容量を確保したい場合は、初期化前のシステムフォルダーWindows.oldが作成されるため、必要がなければ削除すると20GB前後の容量が確保されることになる。迷っている方はぜひ試してほしい超解決策である。
それでは、楽しく快適なパソコンライフをお過ごしください。