マイクアンプボックスの自作

市販のアマチュア無線機はマイクアンプを内蔵しており、マイクロフォンにアンプは必要ないが、1台のマイクロフォンで数台の無線機を切り替えて運用するときなど、手元のマイクロフォン側でマイクゲインをコントロールしたいときがある。このようなときに必要なマイクアンプを内蔵した簡単なコントロールボックスを自作する。
コントロールボックスに内蔵するマイクアンプは、過日作製した[マイクアンプの組み立て]のアンプを使用し、ボックスにはアルミケース「以下(ケース)と記す。」を使う。
外枠の太線がケースで、中央の太線がマイクアンプである。また、上部が後面で下部が前面である。なお、前後面に各々パーツを配置してそれぞれを配線するが、実際にケースに付けるパーツ配置は好みで良い。
なお、図面内の2.2KΩの抵抗(黄色)は、コンデンサマイク電源用で、1µFのカップリングコンデンサ(緑色)は、ケース内に直付けしたものである。

以下にケースおよびケースに取り付けるパーツと極性を記すが、10KΩのVR、抵抗、電解コンデンサ以外は手持ちにあるもの、または好みで選択する。
① マイクレセプタクルをケースの外から見た極性 ×1個
② 上記①の マイクレセプタクルをケースの内側(半田付けする側)の極性
③ 外部電源入力用DC端子 ×1個
④ PTT用RCA端子(2極端子であれば何でも可) ×2個
⑤ マイクアンプゲインコントロール用VR10KΩ ×1個
⑥ 発光ダイオード(色は好みで可) ×1個
⑴ その他、トグルスイッチ ×2個、2.2KΩ抵抗×1個、1µF電解コンデンサ×1個、リード線およびシールド線少々
⑵ 使用したアルミケースは、タカチ電機工業 薄型アルミケース「YM-150」(W150×D100×H40)

化粧板は付けなくても良いが、化粧板を付けると出来上がりがきれいになる。化粧板の作製方法はいろいろあるが、今回は裏に糊付けしてある光沢紙に各パーツの取り付け部分をPhotoshopで実寸大で作成してプリントアウトした。光沢紙は時間がたつと色あせてしまうので、透明なアクリル板を併せる。
▶ 手順 1
▶ 手順 2
▶ 手順 2
画像左は正面、画像右は後面

⑴ 画像は正面を上から見たもので、中央がマイクアンプのケースである。なお、MIC INおよびMIC OUTの配線はシールド線を使用する。また、各パーツの半田付け部分にセラミックコンデンサが見えるが、バイパスコンデンサで容量は0.1µFまたは0.01μF程度で良い。

⑵ 画像は後面を上から見たもので、マイクレセプタクルのマイク入力側(黄色の楕円内)に、コンデンサマイク電源用抵抗およびカップリングコンデンサをハンダ付けしてある。

配線の確認終了後、上蓋を取り付けて完成である。
⑴ 画像左は正面で、左から PTT SW、 MIC IN、VR、POWER SWとPOWER LEDである。
⑵ 画像右は後面で、左からDC IN(VCC+3V)、PTT、MIC OUT、PTTである。
なお、アンプ用の電源はハム音等ののノイズを考慮して乾電池を使用する。このケースは余裕がありケース内に内蔵しても良いが、電池を取り換える場合に面倒なために外付けにする。また、PTT用端子を2個付けたが、PTT操作を卓上で行うものとFoot SW用である。

実際に無線機にセットした画像、下のボックスが今回自作したマイクアンプボックスで、その上のボックスは11台の無線機を切り替えて使用できるコントロールボックスである。

このマイクアンプボックスの電源は過日自作した、「マイクアンプ用外部電源」を使用しているが、現在のところノイズなどもなく期待通り作動している。
ここで内蔵したマイクアンプは、冒頭で記したようにキャリブレーションのマイクアンプキットを使用している。このキットは利得の安定性を向上させるため、電流帰還バイアス方式を採用しており、ゲイン調節は基板上の半固定VRで調節するように作製されている。
しかし、1台のマイクロフォンで数台の無線機を切り替えて運用するときは、手元でマイクゲインを調節するため、このキットの半固定VRを取り去り若干の変更を加えてある。
※ 参考
下画像の赤枠内がマイクアンプキットの変更箇所である。以前にも記したが詳細については、こちらで確認できる。
