HDSDRのダウンロードとインストールおよび受信設定の手順
Alberto di Bene(I2PHD)によって作成された Winrad HD をバージョンアップした HDSDR(High Definition SoftwareDefined Radio) は、2018年08月14日に Version 2.80 が試用のためのベータ版が公開され、約1年半後の 2020年03月19日に正式リリースされた。
このページでは、HDSDR Version 2.80 のダウンロードとインストールの手順、および受信設定の方法を、Windows 11 の画像を用いながら記すことにする。
なお、DVB-T USB ドングルおよびHF帯用のコンバーター等は、システムに導入されているものとする。また、必要な場合は以下を参照する。
・ DVB-T USB ドングルの導入 ➡ RTL-SDR. DVB-T USB ドングルインストール方法
・ HF帯用のコンバーターの導入 ➡ SDR用 HFコンバーターキットの組立
・ OmniRig V2 のインストール ➡ OmniRig V2 ダウンロードやインストールなど
・ OmniRig V1 のインストール ➡ Omni-Rig のダウンロードおよびセットアップ方法
・ Options の設定項目の詳細 ➡ HDSDR Ver:2.76a Options の設定項目
HDSDR の公式ウェブサイトから、[HDSDR] および DVB-T USB ドングル用アクセスモジュール [DLLファイル] をダウンロードする。
・ HDSDR および DLL ファイルのダウンロード ➡ http://www.hdsdr.de
⑴ 以下の画像 HDSDR ウェブサイトで、[HDSDR v2.80 installer]をダウンロードする。
※参考
HDSDR v2.80 は OmniRig v2のみ対応しているが、 下側のHDSDR v2.81 beta3版は OmniRig v2および OmniRig v2の両方に対応させて切り替えて使用できるようである。興味のある方は beta版ではあるが HDSDR v2.81をダウンロードしてみても楽しめると思う。
⑵ 次に、DVB-T USB ドングル用アクセスモジュールをダウンロードする。
HDSDR 同サイトの上部の [Hardware] をクリックして下へ移動し、フォーム枠内 [RTLSDR(DVB-T/DAB with RTL2832) USB] の右側 [DLL] をクリックして任意の場所にダウンロードする。
ダウンロードした [HDSDR Version 2.80] をインストールする。
▶ 手順1
実行ファイル [HDSDR_install.exe] をダブルクリックしてインストールを開始する。
▶ 手順2
ユーザーアカウント制御ダイアログが表示されるため、[はい] をクリックする。
▶ 手順3
HDSDR セットアップウィザードの開始のダイアログで [次へ] をクリックする。
▶ 手順4
使用許諾契約書の同意ダイアログが表示されるためチェックする。
❶ 同意できれば [ ◉ 同意する] ラジオボタンにチェックを入れる。
❷ [次へ] ボタンをクリックする。
▶ 手順5
インストール先の指定ダイアログが表示される。
❶ インストール先を変更する場合は、[参照] をクリックして選択する。変更する必要がない場合は何もしない。
❷ [次へ] をクリックする。
▶ 手順6
プログラムグループの指定のダイアログで、指定の必要がある場合は [参照] をクリックして指定する。指定しない場合は [次へ] をクリックする。
▶ 手順7
[追加タスクの選択] のダイアログで、[ ☑ デスクトップ上にアイコンを作成する] および [ ▢ クイック起動アイコンを作成する] 必要な場合は、それぞれ選択して [次へ] をクリックする。このページでは前者のみ選択した。
▶ 手順8
インストール準備完了のダイアログが表示されるため、内容をチェックして設定通りになっている場合は、[インストール] をクリックする。
▶ 手順9
HDSDR セットアップウィザードの完了のダイアログでは、新規インストールのため以下を選択する。
❶ [ ▢ HDSDR を実行する] チェックボックスのチェックを外して実行しない。
❷ [完了] をクリックする。
HDSDR Version 2.80 インストール完了後は、以下の設定を行って必要な周波数を受信する。なお、受信に必要な周波数に同調するアンテナを、DVB-T USBドングルに差し込んであり、ドライバーはインストールされているものとする。
前記したように、このページでは DVB-T USB ドングルを導入していることを前提として記しているため、導入していない場合は、➡ RTL-SDR. DVB-T USB ドングルインストール方法を参照すること。
▶ 手順1
冒頭でダウンロードしたアクセスモジュール [ExtIO_RTL2832.dll] を、下画像のようにインストールが完了した HDSDR のフォルダー内にコピペして入れる。
HDSDR のインストール時にインストール場所やフォルダーを変更していない場合、HDSDR のデフォルトフォルダーは、[ C:/Program Files(x86)/HDSDR/ ] である。
▶ 手順2
HDSDR Version 2.80 のインストール時に、デスクトップに生成されたショートカットをダブルクリックして起動する。
▶ 手順3
DVB-T USB ドングル用アクセスモジュールのデフォルトチューナーゲインは、0.0dBm で、信号が聞こえない状態になっているため、最初に設定する必要がある。
❶ 左下のメニューバー [SDR-Device] をクリックする。または [F8] キーを押す。
❷ ExtIO_RTL2832.DLL のダイアログメニュー Device が、使用する DVB-T USB ドングルになっていることをチェックする。ドングルを複数使用している場合は、プルダウンメニューをクリックして、使用するドングルを選択する。
・ 以下の画像では、(1)-RTL2838UHlDIR であることが見て取れる。
❸ とりあえず、各チェックボックスはチェックを外した状態で、[Tuner Gain] のバーを上部に設定する。
▶ 手順4
サウンドディバイスが一つしかない場合はここでの操作は必要ない。しかし、音声が出ない場合またはサウンドカードなどを複数使用している場合は、使用するサウンドディバイスを選択する必要があるため以下を操作する。
❶ 左下のメニューバー [Soundcard] をクリックする。または [F5] キーを押す。
❷ Sound Card selection ダイアログのプルダウンメニュー内から、使用するサウンドディバイスをクリックして選択する。
❸ 選択されたことをチェックし、[OK] をクリックして閉じる。
▶ 手順5
ここでは、RF フロントエンドを構成する SDR ハードウェアカップリングダイアログを開き、受信に必要不可欠な設定やチェックをする。
❶ [Options] をクリックする。または [F7] キーを押す。
❷ 表示されたメニュー内の [RF Front-End Configuration] をクリックし、SDR hardware coupling のダイアログを開く。
❸ アンテナに接続した DVB-T USBドングル単体の周波数範囲を受信する場合、ラジオボタンにチェックを入れる。
[ ◉ SDR hardware connected to antenna(default)]
※ USBドングル単体の周波数範囲、R820T:42~1002MHz、RTL2838:25~1700MHz。
❹ ダウンまたはアップコンバータを使用した場合は、ラジオボタンにチェックを入れ、その周波数をフォーム内に入力する(単位は、Hz)。
[ ◉ SDR hardware on Down/Up-Converter LO Frequency of Down/Up-Converter in Hz:]
❺ 設定およびチェックが終わったら [Apply] をクリックしてダイアログを閉じる。
※ Options の詳細はこちらを参照 ➡ HDSDR Ver:2.76a Options の設定項目
▶ 手順6
ここでは、受信したい周波数およびモードを選択する。
❶ メニュー上部のプッシュボタンから受信モードを選択する(以下の画像では LSB を選択した)。
❷ メニュー右側上部のプルダウンメニューから受信したい波長を選択する(以下の画像では 7MHz帯の LSB を選択した)。
▶ 手順7
ここまで設定してきた HDSDR Version 2.80 の受信開始である。
❶ 左下のメニューバー [Start] をクリックする。または [F2] キーを押す。
❷ Volume および Gain のスライドバーを、左右に移動させ音声を調節する(右で増幅、左で減少する)。
▶ 手順8
ここまでくると受信信号がガンガン聞こえていると思う。さて、受信周波数にゼロビートする方法はいくつか用意されているが、簡単に微調節する方法を記して終わりにする。
❶ 以下の画像のように、マウスポインタをウオーターフォールまたはスペクトル内に持っていくと、十字マークに代わる。その十字マークを受信信号の中心に合わせてクリックする(画像ではサイドに見えるが、SSB は中心とみなす)。また、微調節はマウスホイールを回す。
❷ ここでは、マウスホイールの回転に合わせた周波数のステップ範囲を、プルダウンメニューから選択する。